ビタミンには体の様々な機能を調整する働きがあります。また、他の栄養素がうまく働くための潤滑油のような働きをしています。そのため、微量ですが生きていくために必要不可欠な栄養素です。
ビタミンAは脂溶性ビタミン
ビタミンには、油脂に溶ける脂溶性ビタミンと、水に溶ける水溶性ビタミンがあります。
ビタミンAは脂溶性ビタミンです。油に溶け、油とともに腸から吸収されます。
体内に蓄積されるため、毎日摂取する必要はなく、過剰摂取には注意が必要です。通常の食事では過剰症になることはあまりないと言われていますが、サプリメントで摂る場合には注意しましょう。
ビタミンAは「目と皮膚・粘膜のビタミン」
ビタミンAとは動物性食品に含まれるレチノールを指します。β-カロテンなどのカロテノイドは体内でビタミンAに変換されるため、プロビタミンAと呼ばれます。β-カロテンは緑黄色野菜などの植物性食品に含まれます。
犬は体内でβ-カロテンをビタミンAに変換できますが、猫は変換できないため、動物性食品からビタミンAを摂取する必要があります。
ビタミンAのはたらき
- 目の健康を維持する
- 皮膚や粘膜の健康を維持する
- 風邪などの感染症にかかりにくくする
- 免疫力を高める
- 骨と歯の形成に重要
- 成長を促進する
ビタミンAを含む食材
■動物性
【肉類】鶏レバー、豚レバー、牛レバー、鶏ハツ
【魚介類】あんこう肝、うなぎ、うなぎ肝、ホタルイカ、マグロ
【その他】卵黄
■植物性(β-カロテン)
【野菜】ニンジン、カボチャ、モロヘイヤ、ホウレンソウ
【ハーブ】アルファルファ、パセリ、ローズヒップ
ビタミンAの欠乏症と過剰症
■ビタミンAが欠乏すると
被毛の質の低下、夜盲症、ドライアイ、感染症にかかりやすくなる、成長不良
■ビタミンAを摂りすぎると
骨粗しょう症、軟骨形成不全、コラーゲン合成阻害
参考文献
- 中村丁次(2006)『最新改訂版 からだに効く栄養成分バイブル』主婦と生活社
- 上西一弘(2016)『栄養素の通になる 第4版』女子栄養大学出版部
- 矢野史子(2002)「(10)ビタミンの役割と要求量」『ペット栄養学会誌』5巻, 3号, p. 135-146
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpan1998/5/3/5_135/_pdf/-char/ja - Sandie Agar(2001)『Small animal nutrition』Butterworth-Heinemann
- Dogs Naturally Magazine (2021) “Could Your Raw Fed Dog Be Lacking Important Vitamins and Minerals?” https://www.dogsnaturallymagazine.com/raw-diets-for-dogs-getting-enough-vitamins-and-minerals/ (参照 2022-02-24)