ビタミンには体の様々な機能を調整する働きがあります。また、他の栄養素がうまく働くための潤滑油のような働きをしています。そのため、微量ですが生きていくために必要不可欠な栄養素です。
ビタミンDは脂溶性ビタミン
ビタミンには、油脂に溶ける脂溶性ビタミンと、水に溶ける水溶性ビタミンがあります。
ビタミンDは脂溶性ビタミンです。油に溶け、油とともに腸から吸収されます。
体内に蓄積されるため、毎日摂取する必要はなく、過剰摂取には注意が必要です。通常の食事では過剰症になることはあまりないと言われていますが、サプリメントで摂る場合には注意しましょう。
ビタミンDは「丈夫な歯や骨をつくるビタミン」
人間と違い犬や猫は日光浴で紫外線からビタミンDをつくることができないため、食事から摂取する必要があります。
ビタミンDには、植物性食品に含まれるD2と、動物性食品に含まれるD3の2種類があります。猫はD3の方が利用しやすいため、動物性食品から補う方がよいでしょう。
ビタミンDのはたらき
- 消化管からのカルシウムとリンの吸収を助ける
- カルシウムとリンの血中濃度を一定に保つ
- カルシウムが骨に沈着するのを助け、骨や歯を丈夫にする
- 免疫力を高める
- 筋力を高める
ビタミンDを含む食材
■動物性
【魚介類】あんこう肝、マイワシ、サケ、サンマ
【その他】卵黄
■植物性
【きのこ】キクラゲ、マイタケ、干しシイタケ
【ハーブ】アルファルファ
ビタミンDの欠乏症と過剰症
■ビタミンDが欠乏すると
骨粗しょう症、骨軟化症、成長期のくる病
■ビタミンDを摂りすぎると
食欲不振、高カルシウム血症
参考文献
- 中村丁次(2006)『最新改訂版 からだに効く栄養成分バイブル』主婦と生活社
- 上西一弘(2016)『栄養素の通になる 第4版』女子栄養大学出版部
- 矢野史子(2002)「(10)ビタミンの役割と要求量」『ペット栄養学会誌』5巻, 3号, p. 135-146
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpan1998/5/3/5_135/_pdf/-char/ja - Sandie Agar(2001)『Small animal nutrition』Butterworth-Heinemann
- Dogs Naturally Magazine (2021) “Could Your Raw Fed Dog Be Lacking Important Vitamins and Minerals?” https://www.dogsnaturallymagazine.com/raw-diets-for-dogs-getting-enough-vitamins-and-minerals/ (参照 2022-02-24)